西日本皮膚科
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症例
若年者に生じたエクリン分化を示す基底細胞癌の 1 例
堀川 永子石井 千寸瀬戸山 充菊池 英維
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2012 年 74 巻 4 号 p. 391-393

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抄録

症例は12歳,男児。2年前より右上口唇に紅色結節が出現し近医皮膚科にて伝染性軟属腫の診断で凍結療法を施行されたが,その後すぐ同部位に結節が再発,増大してきたため,前医を受診した。表面平滑で頂部に痂皮を付着する淡紅色,径 7.0mm の結節であり,腫瘍性病変が疑われ全摘生検を施行,病理組織学的に,エクリン分化を示す基底細胞癌と診断された。当科入院の上追加切除,二期的に全層植皮術を施行し,約1年経過した現在,再発は認められない。基礎疾患を欠く若年発症(10歳台)の基底細胞癌は非常に稀であると考え報告する。

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© 2012 日本皮膚科学会西部支部
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