2012 年 74 巻 4 号 p. 399-404
皮疹を伴ったangioimmunoblastic T-cell lymphoma (以下 AITL) の2例を経験した。症例1は80歳の女性。略全身に,一部に硬結を伴う淡紅斑を認めた。硬結部より生検を行い,病理組織学的に真皮全層に異型細胞の浸潤が認められた。症例2は79歳の女性。下腿紫斑を呈し,病理組織学的に leukocytoclastic vasculitis が認められた。異型細胞の浸潤は認められなかった。両症例とも可溶性 IL-2 受容体上昇やリンパ節腫大を認めリンパ腫が疑われ,リンパ節生検が行われた。リンパ節の病理組織で,高内皮細静脈の増生と異型リンパ球の浸潤が認められ,AITL と診断された。AITL は約50%に皮疹を伴うとされるが,皮疹の性状,組織所見は多彩であり,今後更なる症例集積および検討が必要であると考えられた。