西日本皮膚科
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症例
男児にみられた色素失調症の1例
齊藤 知子宇佐川 祐子田代 あかり小野 友輔北島 順子松本 直子古江 増隆
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2012 年 74 巻 5 号 p. 497-500

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抄録

0歳,男児。在胎39週6日に2752gで帝王切開にて出生した。出生直後より右上肢,右下肢を中心に Blaschko 線に沿って列序性に配列する小水疱および一部鱗屑・痂皮を伴う紅斑があり,左上肢,左下肢にも淡い紅斑を認めた。皮膚病理組織弱拡大像では,表皮は海綿状態で,真皮上層血管周囲に細胞浸潤を認めた。強拡大像で,表皮内への多数の好酸球浸潤,好中球浸潤を認め,真皮上層の血管周囲にも好酸球,リンパ球が浸潤していた。特異な臨床像および皮膚病理組織所見より色素失調症と診断した。5週間後には色素沈着が主体となった。染色体検査では46,XY で正常男性型であり,合併症の検索での眼科精査と頭部 MRI では異常所見は認めなかった。色素失調症の男児例はまれであり,文献的に考察した。

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© 2012 日本皮膚科学会西部支部
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