西日本皮膚科
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治療
成人アトピー性皮膚炎に対するステロイド軟膏とタクロリムス軟膏による外用連続療法の有用性と患者QOLに及ぼす影響
窪田 泰夫中井 浩三森上 純子森上 徹也横井 郁美前田 麗子宗廣 明日香石川 絵美子細川 洋一郎小浦 綾子藤田 名都子米田 耕造
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2012 年 74 巻 5 号 p. 541-547

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抄録

成人アトピー性皮膚炎 (AD) 患者20例に,タクロリムス軟膏 (プロトピック® 軟膏0.1%) と体幹・四肢にはベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏 (アンテベート® 軟膏0.05%) を,顔面・頚部にはヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏 (ロコイド® 軟膏0.1%) を用いて導入期,移行期,維持期の3段階からなる外用連続療法を6週間実施し,臨床的有用性を EASI スコアとそう痒・不眠の程度により,また患者 QOL を SF-36 と DLQI により評価した。その結果,体幹・四肢および顔面・頚部ともに EASI スコアは経時的に有意な改善を示し,その効果も維持された。また,そう痒・不眠は導入期最終日より有意な改善が認められ,その効果は治療終了時まで持続した。QOL 評価において SF-36 では「体の痛み」,「全体的健康感」で有意な改善が認められた。DLQI の下位尺度のうち「症状・感情」,「日常生活」,「余暇」,「仕事・学校」面での改善が有意であった。さらに治療終了時に患者に治療開始前を思い出してもらい,治療前 QOL の再評価を行った DLQI スコアと治療前 DLQI スコアとの間には有意差があり,レスポンスシフトが確認された。成人アトピー性皮膚炎に対するステロイド軟膏とタクロリムス軟膏による外用連続療法は,顔面を含む全身の AD 皮膚症状を速やかに改善し,寛解維持効果も良好であり,患者 QOL の改善をもたらすことが示唆された。

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© 2012 日本皮膚科学会西部支部
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