西日本皮膚科
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症例
急性骨髄性白血病に先行してみられた皮膚サルコイド反応の 1 例
三田村 康貴伊東 孝通原田 佳代占部 和敬門脇 賢典岡村 精一古江 増隆
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2013 年 75 巻 2 号 p. 134-137

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抄録

49 歳,男性。39 度台の発熱と両膝の圧痛を伴う紅色結節と瘢痕浸潤様紅色丘疹を主訴に当科を受診した。皮膚病変の病理組織学的検査では共に非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫があり,後者は中央部に異物の混入を認めた。ACE や Ca の検査所見は正常値だった。ステロイド内服で皮疹は消退したが,発熱性好中球減少症を認めたため入院した。骨髄生検で急性骨髄性白血病 (acute myeloid leukemia : AML) と診断された。以前に血小板減少が指摘されていたことから MDS (myelodysplastic syndrome) から AML への移行に伴ったサルコイド反応と確定診断した。化学療法を行い,経過中に皮疹の再燃はなかった。サルコイドーシスまたはサルコイド反応が AML に先行してみられた症例について検索したところ,AML にサルコイド反応が先行した症例は自験例を含め 2 例と稀であった。

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© 2013 日本皮膚科学会西部支部
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