西日本皮膚科
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治療
尋常性痤瘡患者に対する十味敗毒湯 (桜皮配合) の臨床効果と作用機序
竹村 司遠野 弘美与茂田 敏大窪 敏樹
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2014 年 76 巻 2 号 p. 140-146

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抄録
中等症以上を中心とした女性の尋常性痤瘡患者 44 名に対し,抗菌薬の内服を禁じ,桜皮 (ヤマザクラ Prunus jamasakura Siebold (バラ科)) を配合した漢方製剤の十味敗毒湯エキス製剤の内服と外用抗菌薬 (クリンダマイシンリン酸エステル製剤) の併用によって 12 週間の治療を行った。炎症性皮疹の改善度は改善以上が 34 例で累積改善率は 77.3%であり,調査薬剤による副作用は見られず,十味敗毒湯エキス製剤 (桜皮配合) と外用抗菌薬との併用療法は臨床的有用性が認められた。またその作用機序を推定する目的で,桜皮および桜皮に代わり用いられることのある樸樕 (クヌギ Quercus acutissima Carruthers (ブナ科)) の水抽出エキスを用いて皮膚線維芽細胞からのエストロゲン分泌作用を測定したところ,桜皮は 17 β−エストラジオールの顕著な産生を認めたが,樸樕では認められなかった。これらのことから桜皮を配合した十味敗毒湯エキス製剤は,尋常性痤瘡患者の皮膚局所においてエストロゲンの産生を誘導することにより,痤瘡の悪化要因であるテストステロンを拮抗的に抑制することが作用機序のひとつとしてあげられることが示唆された。
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© 2014 日本皮膚科学会西部支部
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