西日本皮膚科
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症例
Pseudo-Darier Sign を認めた平滑筋母斑の 1 例
村田 真帆中原 真希子中村 美沙中原 剛士高原 正和師井 洋一古江 増隆
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2014 年 76 巻 6 号 p. 565-568

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抄録

症例は生後 8 カ 月の男児。生後 2 週頃,右側胸部の褐色斑に母親が気付いた。生後 3 週頃,タオルや手で擦ることで皮疹が隆起することが数回あった。生後 1 カ 月過ぎから発毛を認め,それ以降は刺激による皮疹の隆起はなくなった。初診時には,表面に多毛を伴う 7×6 cm の不整形で境界やや不明瞭な淡褐色の局面を認めた。病理組織では,真皮全層にわたり好酸性に染まる平滑筋線維の集塊が多数見られ,大部分は毛包と無関係に増生していた。免疫染色では desmin,actin 陽性,vimentin,c-kit 陰性であった。 臨床所見と初診以前の症状,病理所見をあわせて平滑筋母斑と診断した。症状は経過とともに軽減することが多いことから,本例も特に加療は行わず経過観察中である。平滑筋母斑の報告は少なく,経過の報告も少数であるため,本例でも今後経過観察をしていく必要があると考える。

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© 2014 日本皮膚科学会西部支部
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