西日本皮膚科
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症例
貧血母斑を伴った Pseudo-Human Tail の 1 例
和田 麻衣子伊東 孝通中原 真希子橋口 公章古江 増隆
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2015 年 77 巻 3 号 p. 210-213

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抄録

生後 15 日,女児。生下時より左臀部の索状腫瘤を認めた。腫瘤の近傍には貧血母斑を伴っていた。生後 1 カ月時に局所麻酔下に切除し,病理組織学的に pseudo-human tail と診断した。下肢の神経症状や膀胱直腸障害はなかった。その後臀裂の偏位が強くなり,術創部の皮下に軟らかい隆起が目立ってきたため,二分脊椎を疑い生後 2 カ月時に脳神経外科へ紹介した。CT・MRI にて L5以下のレベルで脊柱管内に脊髄と連続した脂肪腫を認めた。脳神経外科で全身麻酔下に係留解除術を施行された。術後一過性に膀胱直腸障害をきたしたが,保存治療で軽快した。現在まで再発やその他の神経学的症状は認めていない。 Human tail は,尾骨の有無で true human tail と pseudo-human tail に分けられる。Pseudo-human tail には二分脊椎などの合併症を伴うことが多い。二分脊椎では仙尾部に様々な皮膚症状を高率に合併する。深部で脊髄腔と連続していることもあり,術前に CT や MRI などの画像評価を十分に行う必要がある。

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© 2015 日本皮膚科学会西部支部
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