西日本皮膚科
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症例
骨破壊を伴った多発性痛風結節の 1 例
大賀 保範伊藤 宏太郎今福 信 一
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2015 年 77 巻 3 号 p. 217-219

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抄録

症例は 61 歳の男性。初診の 20 年前に高尿酸血症を指摘されたが定期的な治療は受けていなかった。15 年前より両足に皮下結節が出現し,徐々に増大したが放置していた。その後両手指,左肘,左膝にも同様の皮下結節が出現したため当科を受診した。右足背からの皮膚生検の際に白色ペースト状の物質が排出され,HE 染色では好酸性に染色される無構造物質とその周囲の肉芽腫形成を認め,痛風結節と診断した。 手指の単純 X 線検査では皮下結節に一致した部位に骨破壊像を認めた。痛風結節は増大すると骨・関節破壊を引き起こすこともあり,早期診断・治療に加え,長期化や巨大化した病変では骨・関節病変の有無の評価が重要である。

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© 2015 日本皮膚科学会西部支部
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