西日本皮膚科
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症例
成人 T 細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の 急性増悪半年前から出現持続した多発紅斑性局面
上尾 大輔本田 周平卯野 規敬近藤 宣如長峯 理子大島 孝一石川 一志波多野 豊藤原 作平
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2016 年 78 巻 2 号 p. 149-155

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抄録

成人 T 細胞白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma;ATLL)慢性型・リンパ腫型と診断されており,急性増悪の約半年前に突然全身に紅斑が多発した症例である。ATLL の皮膚浸潤を疑い 4 回皮膚生検を施行したが,いずれも interface dermatitis を呈し,異型は目立たなかった。薬疹の可能性を考えて,内服薬を全て中止しステロイドの全身投与をしたところ,皮疹は軽快傾向を示すものの消退しなかった。皮疹出現後半年で急性増悪し,予後不良の転帰をとった。後日追加の免疫染色を行ったところ,1 回目の生検組織では CD3,CD4,CCR4,Foxp3,CD25,CD30 陽性の少数の大型異型リンパ球がみられた。2,3 回目の生検組織では異型リンパ球はほとんどなく,CD4/8 比が低下した。4 回目生検組織には少数の大型異型リンパ球が真皮浅層にみられたが 1 回目より少なく,CD8 陽性細胞も多く,ATLL の病変が免疫反応で修飾されたものと考えられた。全経過を通して皮疹が消退することはなく,紅斑性局面は ATLL 急性増悪の予兆と考えられた。

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© 2016 日本皮膚科学会西部支部
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