西日本皮膚科
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症例
矯正下着の圧迫刺激により皮疹が顕在化した ヒトパルボウイルス B19 感染症の 1 例
伊原 穂乃香古賀 文二今福 信一
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2016 年 78 巻 4 号 p. 382-385

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抄録

45 歳の女性。矯正下着着用後,腰臀部と前胸部に瘙痒を伴う皮疹が出現し当科を受診した。初診時,腰臀部に境界明瞭な左右対称性の紅斑と前胸部に紅色丘疹の集簇がみられ,いずれも瘙痒を伴っていた。 皮疹の出現部位は矯正下着の着用部位に一致しており,接触皮膚炎と考えステロイド外用を開始した。しかし 3 日後,皮疹は更に拡大しており紫斑も混在していた。この時点で,家族歴として長女が伝染性紅斑を発症していたことが分かり,伝染性紅斑,血管炎を鑑別に考え皮膚生検と血液検査を施行した。病理組織学的所見では,液状変性がみられ,真皮上層の血管内皮細胞の肥厚,血管周囲にリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤と赤血球の血管外漏出,核の破砕像がみられた。末梢血でも少数の異型リンパ球の出現とヒトパルボウイルス B19(HPaV-B19)IgM 抗体価が有意に上昇しており,HPaV-B19 感染症に関連した皮膚炎と考えた。同ウイルスの関連する疾患として四肢に皮疹を生じる papular-purpuric gloves and socks syndrome(PPGSS)が知られるが,皮疹形成の機序として,免疫複合体が血管に沈着し物理刺激により紫斑が出現すると提唱されており,自験例は下着の圧迫により生じた PPGSS の亜型であると考えられた。

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© 2016 日本皮膚科学会西部支部
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