西日本皮膚科
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綜説
アトピー性皮膚炎治療におけるタクロリムスの新たな役割 ―― 最近の話題 ――
中原 剛士森本 宏村上 尚史古江 増隆
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2016 年 78 巻 5 号 p. 468-473

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抄録

タクロリムス軟膏がアトピー性皮膚炎に対して臨床使用されてからすでに 15 年が経過し,その有効性と安全性は国内外の多くの短期および長期投与試験によって明らかにされてきた。ステロイドの長期外用による皮膚萎縮などの副作用がタクロリムス軟膏には認められないことから,タクロリムス軟膏は外用ステロイドの薬効と副作用を補完しうる薬剤として位置づけられている。アトピー性皮膚炎の病態解明は不十分であるが,遺伝的,生理学的,免疫学的あるいは新規薬剤による治療的知見が集積され,多くの科学的進展が得られつつある。病態解明の進展とともに,当初 T 細胞活性化を抑制する免疫抑制薬としての位置づけで臨床応用されたタクロリムスは,アトピー性皮膚炎発症病態の様々な側面を制御しうる薬物である可能性が指摘されるようになった。本稿では,タクロリムスによる痒み抑制,アレルギー性炎症抑制および皮膚バリア機能改善などの最近の知見を総括し,タクロリムス軟膏によるアトピー性皮膚炎治療の新たな可能性に言及した。

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© 2016 日本皮膚科学会西部支部
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