西日本皮膚科
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治療
合剤型 Ellagic Acid(エラグ酸)クリーム(AAGE クリーム)外用の各種色素沈着症への効果
中山 秀夫陳 科栄陣内 宏行
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2016 年 78 巻 6 号 p. 667-672

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抄録

肝斑,色素沈着型化粧品皮膚炎,dirty neck,日光黒子,その他の色素沈着症に 0.5% エラグ酸+2%アスコルビン酸 2-グルコシド+0.1% リキリチンのクリームを用いて 1 日 2 回外用を行い,多くは 3∼6 カ月間効果を観察してその効果をみた。肝斑は 68 例中有効 63 例で有効率 92.6%,日光黒子は 62 例中 22 例有効で有効率 35.5%,色素沈着型化粧品皮膚炎は 4 例全て有効,発疹後色素沈着では 19 例中 18 例有効で,有効率 94.7%であった。副作用は全 161 例において,1 例もみられなかった。エラグ酸他 2 種の成分はこれまで用いられてきた各種美白剤のキノン系やピロン系,レゾルシン系などと全く化学構造の異なるため,感作が起こらず,刺激も白斑もみられなかった。この合剤は今後もっとも安全に使用しうる美白剤として期待しうると思われる。

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© 2016 日本皮膚科学会西部支部
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