西日本皮膚科
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症例
宮古ビデンス・ピローサ®茶の飲用が補助療法として奏効した 皮膚型結節性多発動脈炎の 1 例
中川 理恵子一木 稔生陣内 駿一幸田 太三苫 千景古江 増隆
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2017 年 79 巻 1 号 p. 24-27

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抄録

35 歳,女性。28 歳頃より両下腿に褐色斑,紅斑が出現し,徐々に拡大してきたため当院を受診した。 初診時,両下腿に浸潤を触れる紅斑,褐色斑が散在していた。皮膚生検では,皮下脂肪織内の血管腔,血管壁と血管周囲にリンパ球,組織球を主体とした細胞浸潤がみられ,内腔にフィブリン血栓を伴っていた。Elastica van Gieson 染色では,血管壁に内弾性板がみられ,弾性線維が乏しく動脈炎と判断した。全身の血管炎を示唆する所見はなく,皮膚型結節性多発動脈炎と診断した。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),ジアフェニルスルホン,循環改善薬,プレドニゾロン内服など行うも改善しなかったが,補助療法として宮古ビデンス・ピローサ®茶を飲用し始めたところ,紅斑は消退,痛みも改善した。現在,宮古ビデンス・ピローサ®茶の飲用だけを継続し再発はみられていない。我々は最近,宮古ビデンス・ピローサ®茶に含まれる薬草成分が内皮細胞に働きかけ,活性酸素産生を低減することを報告している。皮膚微小循環障害がみられる皮膚型結節性多発動脈炎に対して,症例によっては有効な補助療法である可能性が考えられた。

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© 2017 日本皮膚科学会西部支部
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