西日本皮膚科
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症例
アダリムマブ治療中抗結核薬予防投与終了後に結核を発症した尋常性乾癬の 1 例
白築 理恵金子 栄森田 栄伸
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2017 年 79 巻 3 号 p. 235-240

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抄録

73 歳,男性。2 型糖尿病の合併あり。1954年に兄が肺結核に罹患していた。1978 年発症の尋常性乾癬に対し,外用や紫外線療法を受けていた。2008 年に開始されたシクロスポリン内服の効果減弱がみられ, 2012 年 10 月よりアダリムマブを導入した。導入前のスクリーニング検査で潜在性結核感染と判明し,イソニアジドの予防投与を前投薬期間含め 10 カ月間行った。生物学的製剤投与中には定期的な胸部画像検査が必要であり,自験例においてもアダリムマブ開始 1,6,12 カ月後に定期的に胸部レントゲン検査を施行した。予防投与終了 3 カ月後に 39 度台の不明熱で入院となった。CT にて多発脾膿瘍,肺の septic emboli を認め,敗血症の診断にて各種抗生剤を投与したが効果に乏しかった。入院 18 日目に入院後採取した胃液から抗酸菌が検出され,PCR で結核菌と同定された。粟粒結核として抗結核薬 4 剤内服に切り換えたところ,速やかに治療に反応した。自験例は糖尿病を合併していたため,生物学的製剤治療時における結核予防対策最長期間の 9 カ月間内服を遵守したにも関わらず結核を発症したことから,結核予防対策に関して警告的な症例と考える。結核の治療終了前に呼吸器内科と相談の上,ウステキヌマブを投与したところ結核性リンパ節炎を発症したため投与を中止し,結核治療終了 2 カ月後よりセクキヌマブの投与を開始した。開始 5 カ月後の現在,結核の再発は認めていない。併発結核治療後の生物学的製剤の再投与についても考察を加え報告する。

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