西日本皮膚科
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症例
アルコール性肝硬変を合併した良性対称性脂肪腫症の 1 例
久場 友加里井上 卓也森 槙子永瀬 浩太郎成澤 寛
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2017 年 79 巻 6 号 p. 562-565

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抄録

68 歳,男性。徐々に増大する後頚部の皮下腫瘤を主訴に当科を受診した。初診時,後頚部に径 15 cm の軟らかい皮下腫瘤を認め,体幹・四肢にも対称性に境界不明瞭な軟らかい皮下腫瘤が多発していた。生検にて成熟脂肪細胞の増生を認め,アルコール性肝硬変・高尿酸血症の既往があったことより,良性対称性脂肪腫症と診断した。良性対称性脂肪腫症は,頚部・体幹・四肢近位部を中心に左右対称性に脂肪組織が増生する疾患で,アルコール性肝障害,耐糖能異常,高脂血症,高尿酸血症などを伴うことが知られている。今回,自験例を含めた本邦報告 125 例の検討を行ったところ,男性が 85%と圧倒的に多く,50∼60 代に多かった。発生部位は頚部・背部・上腕など上半身に多い傾向であった。機序は解明されておらず,他臓器への圧迫解除や整容的な理由で外科的切除がなされることもあるが,再発も多く,確立された治療法はない。

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© 2017 日本皮膚科学会西部支部
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