西日本皮膚科
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症例
脂腺母斑に生じた脂腺腫の 1 例 ―― 当科 10 年間の脂腺母斑と二次性腫瘍の検討 ――
小松崎 ゆき林 周次郎山内 瑛塚田 鏡寿鈴木 利宏濱﨑 洋一郎刀川 信幸籏持 淳
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2018 年 80 巻 1 号 p. 35-37

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抄録

25 歳,女性。出生時から左頰部に線状の褐色斑があった。数年前より褐色斑の一部が隆起し,当科を受診した。初診時,左頰部に黄褐色で 25×5 mm の疣贅状局面があり,上端に出血を伴う 3×3 mm の紅色結節があった。結節部を含めて生検を施行し,結節部は脂腺腫,局面部は脂腺母斑と病理組織診断した。その後,残存した脂腺母斑を全て切除し,現在まで再発はない。1997 年から 2016 年までに当科で切除した 94 例の脂腺母斑を検討したところ,11 例に二次性腫瘍の合併があった。これまでの他施設における集計結果と合わせると,20 歳以下の脂腺母斑では,悪性腫瘍の発生は 0.5%以下で,一方 50 歳以上の脂腺母斑では 60%以上が悪性腫瘍を合併していた。

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© 2018 日本皮膚科学会西部支部
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