西日本皮膚科
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症例
肘窩に生じた粘液線維肉腫の 1 例
高井 彩也華米倉 由子西澤 綾須佐 美知郎佐藤 貴浩
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2018 年 80 巻 3 号 p. 224-226

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抄録

81 歳,男性。初診 1 カ月前から右肘窩の結節が出現し,急速に増大してきたため,当科を受診した。 初診時,右前腕に径 3 cm 程の多房性の紅色腫瘤を認め,表面には光沢があり,出血斑を伴っていた。病理組織では真皮中層から筋膜にかけて,広範な粘液基質の産生を伴い多形性に富む異型な核を有する腫瘍細胞が束状に増殖していた。粘液線維肉腫(high grade)と診断し,当院整形外科にて辺縁より 5 cm のマージンをとり切除した。その後 1 年経過するが,再発,転移は認めていない。粘液線維肉腫は腫瘍の細胞密度や異型の程度などから low grade, intermediate grade, high grade に分類される。転移は肺,リンパ節などの報告があり,悪性度の高いものや腫瘍の局在が深いものほど転移や腫瘍死が多いとされている。

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© 2018 日本皮膚科学会西部支部
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