西日本皮膚科
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症例
小膿疱を伴った中学生の川崎病
岡﨑 布佐子安井 雅人
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2018 年 80 巻 6 号 p. 518-521

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抄録

14 歳,男児。初診の 8 日前から 38 度台に発熱し,5 日前に手足の紅斑が,初診前日に全身に小膿疱が出現した。左方移動を伴う白血球増多,CRP 上昇,軽度の黄疸を認めた。膿疱部の病理組織学的所見は,好中球による角層下膿疱であった。心エコーは異常がなかった。γ グロブリン,アスピリン投与にて解熱し,手足で落屑を認めた。小膿疱は川崎病の診断基準の参考条項であるが,幼児の小膿疱を伴う川崎病の報告は近年減少している。川崎病の治療法が確立し,小膿疱の出現前に治療が開始されるためと考えられる。年長児の場合,小膿疱を伴う川崎病は,急性汎発性発疹性膿疱症との鑑別が困難であり,治療開始が遅れやすい。急性汎発性発疹性膿疱症との鑑別に苦慮した場合,川崎病を念頭に検査を進め,心障害後遺症予防を優先し,γ グロブリン治療を選択すべきである。

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© 2018 日本皮膚科学会西部支部
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