西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
掌蹠角化を呈した多発性エクリン汗管線維腺腫の 1 例
佐藤 清象千葉 貴人桐生 美麿古江 増隆
著者情報
ジャーナル 認証あり

2018 年 80 巻 6 号 p. 522-525

詳細
抄録

85 歳,女性。約 60 年前に掌蹠に鱗屑を伴う紅斑が出現し,足底は次第に角化して厚い痂皮が付着するようになった。7 年前に左手掌有棘細胞癌の腫瘍切除と全層植皮術を受けた。初診時,両手掌に鱗屑を伴う紅斑があり,両足底から足縁にかけて角化を伴う紅斑,痂皮を認めた。手掌および足底から皮膚生検を行い,両部位において表皮と連続した汗管様小管腔構造を含む表皮突起の網目状延長像を認め,多発性エクリン汗管線維腺腫と診断した。7 年前の有棘細胞癌の手術標本の病理組織でも辺縁にエクリン汗管線維腺腫の所見を認め,エクリン汗管線維腺腫の悪性転化の可能性が示唆された。エクリン汗管線維腺腫は四肢に生じる単発で大型な角化性結節を示すことが多いが,掌蹠の角化を呈することもある。自験例も腫瘍が手掌足底全体に及んでいたことから手術は困難であり,ステロイド製剤外用と紫外線療法を行ったが,効果に乏しかった。同様の臨床像をみた際には,本疾患を鑑別に挙げた注意深い観察が必要である。

著者関連情報
© 2018 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top