西日本皮膚科
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症例
TGM1 遺伝子変異を認めた非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の 1 例
圓島 瞳実三好 由華竹本 朱美中野 純二
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2019 年 81 巻 2 号 p. 103-105

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抄録

生後2日,男児。出生時に全身のびまん性潮紅とコロジオン膜様落屑を呈していた。その後紅皮症状態となり,当科を受診した。初診時,全身が光沢のある薄い膜様鱗屑で被包され,いわゆるコロジオン児の状態で一部亀裂を生じていた。閉眼時の眼瞼外反と口唇の外反を認めた。病理組織学的には角層の軽度の肥厚を認め,不全角化はなかった。表皮は著変なく,真皮上層では毛細血管の拡張を認めた。遺伝子検査では,患児のトランスグルタミナーゼ 1遺伝子座の Exon 4でグアニンがアデニンに,また Exon 6 でシトシンがチミンに変異しており,それぞれの変異は両親から遺伝したものと判明し,非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症と診断した。20%尿素製剤の外用で症状は軽快したが,重症度や予後に関しては変異座や病理組織像における異常所見との明確な対応はみつかっておらず,今後の経過を慎重に観察していく必要がある。

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