西日本皮膚科
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症例
MCTD 患者に生じ発症に Raynaud 現象の関与が疑われた手指に限局多発する皮下型環状肉芽腫の 1 例
佐藤 清象中原 真希子宮崎 玲子古江 増隆
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2019 年 81 巻 4 号 p. 284-288

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抄録

39 歳,女性。2 年前に Raynaud 現象,多発関節炎,手指に限局した皮膚硬化,抗 U1-RNP 抗体高値,白血球減少から混合性結合組織病(MCTD)と診断された。1 年前に両手指に皮下結節が出現し,徐々に増加した。両手指に最大径 3 mm の皮下結節を 12 個認めた。皮膚生検では,真皮深層から皮下にかけて変性した膠原線維とムチンを取り囲むように palisading granuloma を認め,MCTD 患者に生じた皮下型環状肉芽腫と診断した。我々が調べえた限りでは環状肉芽腫と MCTD との合併の報告は国内外を含め自験例が初めてであった。皮疹の分布が手指に限局していたことから,Raynaud 現象が環状肉芽腫の発症に関与したと考えた。

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© 2019 日本皮膚科学会西部支部
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