西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
図説
Aneurysmal Fibrous Histiocytoma
田代 綾香古賀 文二古賀 佳織今福 信一
著者情報
ジャーナル 認証あり

2019 年 81 巻 6 号 p. 459-460

詳細
抄録

症例:75 歳,女性

主訴:左上腕の皮疹

既往歴:高血圧,脳梗塞

現病歴:3 年程前から,特に外傷などの既往なく,左上腕に青黒色の結節が出現した。徐々に周囲にひきつれを伴いながら増大したため当科を受診した。

現症(図 1):左上腕伸側に境界明瞭な径 7 mm の青黒色の小結節を認めた。周囲の皮膚に軽度のひきつれを伴っていた。

ダーモスコピー所見(図 2):全体的に白色~青灰色の色調を伴う黒色結節であった。

病理組織学的所見(全切除生検):表皮直下から真皮全層にかけて境界明瞭な結節性病変を認めた(図 3 a)。中央の真皮浅層では,出血およびヘモジデリンの沈着や,小血管の増生を伴い,一部に軽度核異型を伴う紡錘形細胞が増殖していた。病変内には組織球も多数みられ,巨細胞も含まれていた(図 3 b)。真皮中層では膠原線維の増生を伴い紡錘形細胞は storiform pattern を呈して増殖していた(図 3 c)。

免疫組織化学的所見:病変内の紡錘形細胞および組織球は Factor XIIIa と CD68 に陽性,CD34 と S-100 は陰性であった。

診断:以上の所見より Aneurysmal Fibrous Histiocytoma(以下 AFH)と診断した。

著者関連情報
© 2019 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top