西日本皮膚科
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症例
フェニトイン中止によりステロイドの効果が回復した抗ラミニン γ1 類天疱瘡の 1 例
森 槙子永田 真央井上 卓也成澤 寛
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2019 年 81 巻 6 号 p. 473-477

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抄録

48 歳,男性。てんかんの既往がありフェニトインを服用中に抗ラミニン γ1 類天疱瘡を発症した。ステロイドパルス療法や免疫グロブリン大量静注療法を数回施行し免疫抑制剤を併用したが,プレドニゾロンを漸減すると再燃することを繰り返しステロイド治療に抵抗性であった。経過中,フェニトインがプレドニゾロンの効果を減弱することに気付きフェニトインを中止したところ,皮疹は速やかに改善した。皮膚科診療ではステロイドを使用する機会が多々あるが,併用禁忌薬剤や併用注意薬剤については日頃見落とされているケースも少なからずあるのではないかと考える。我々は今回の症例を通して,ステロイド投与時にこれらをチェックすることの重要性を再認識した。

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© 2019 日本皮膚科学会西部支部
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