西日本皮膚科
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症例
エフェドリン類による Nonpigmenting Fixed Drug Eruption の 2 例
麻生 麻里子伊藤 宏太郎大賀 保範今福 信一
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2020 年 82 巻 2 号 p. 81-84

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抄録

症例 1:33 歳,男性。鼻炎に対し市販薬 (喘妙錠 A,パブロン鼻炎カプセル S® ) 内服後,四肢,鼠径部,腰臀部に色素沈着を残さずに消退する紅斑の出現を繰り返していた。臨床経過より固定薬疹を疑ったが原因薬剤の同定はできなかった。初診の 2 年後に鼻炎のためディレグラ® 2 錠内服後,発熱と同時に前回と同部位に水疱を伴う紅斑が出現したため,これらに共通して含まれる塩酸プソイドエフェドリン (PEP) による非色素沈着型固定薬疹 (nonpigmenting fixed drug eruption ; NPFDE) と診断した。 症例 2:41 歳,女性。感冒に対し市販の新ヒストミン® カプセル S 内服後,臀部に瘙痒を伴う紅斑が出現した。過去に市販のコンタック® 総合感冒薬 EX で同症状を繰り返しており,これらに共通して含まれる塩酸メチルエフェドリン (MEP) による NPFDE を疑った。ディレグラ® 内服テストにより同症状が誘発され,PEP とMEP の交差反応を確認できた。

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© 2020 日本皮膚科学会西部支部
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