西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
図説
手掌に発生した硬化性神経周膜腫
片山 栞柴山 慶継青木 光希子古賀 佳織今福 信一国場 尚志
著者情報
ジャーナル 認証あり

2020 年 82 巻 4 号 p. 249-250

詳細
抄録

症例:47 歳,女性

主訴:右第 3 指基部掌側の結節

現病歴:2017 年 7 月頃,右第 3 指基部に自覚症状のない結節に気付いた。経過観察するも改善なく,2018 年 7 月に前医を受診し,精査加療目的に当科紹介受診した。

現症:右第 3 指基部掌側に,淡紅色調~常色の弾性硬で径 6 mm の結節を認めた。自発痛,圧痛は認めなかった(図 1 )。ダーモスコピーでは,血管拡張を認めた。

病理組織学的所見:結節中央部を 3 mm トレパンで生検した。真皮内に,硝子化を伴う膠原線維が増加した間質を背景に紡錘形細胞が索状構造を呈して増殖している。増殖する細胞は類円形の核と,弱好酸性の細胞質を有している。核異型や分裂像はみられない(図 2 )。免疫組織化学染色で,腫瘍細胞は EMA 陽性,GLUT-1 陽性,S-100 蛋白陰性であった(図 3 )。

診断:硬化性神経周膜腫(Sclerosing perineurioma)

著者関連情報
© 2020 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top