2021 年 83 巻 1 号 p. 1-2
患者:37 歳,男性
主訴:右手背の褐色結節
現病歴:3 年程前から,右手背に疼痛を伴う褐色結節が出現したため当科を受診した。
初診時現症:右手背に境界明瞭な 6×5 mm の褐色結節を認めた(図 1 )。
ダーモスコピー所見:結節の中央部に白色調の無構造な部分(central white patch)がみられた(図 2 )。
病理組織学的所見(全切除生検):真皮から皮下組織にかけて境界やや不明瞭な単結節状病変を認め(図 3 a),膠原線維や線維芽細胞様の紡錘形細胞が増生し,泡沫細胞も多数みられた(図 3 b)。
免疫組織化学的所見:病変内の紡錘形細胞は factor XIII a が, 泡沫細胞は CD10,CD68,CD163 が陽性となり,CD34,S100 は陰性であった。
診断:以上の所見より lipidized dermatofibroma(以下 LD)と診断した。