2021 年 83 巻 5 号 p. 393-394
患者:70 歳,女性
初診:2020 年 5 月中旬
主訴:左上背部の瘙痒を伴う落屑性紅斑
既往歴:右第 1 指と左第 1 趾爪白癬の診断で治療中
現病歴:左上背部の“こり”に対し,ピップエレキバン®(以下エレキバン)を約 20 日間貼付したままにしたところ瘙痒を伴う紅斑が出現した。“かぶれ”の自己診断で副腎皮質ホルモン(OTC 薬)を外用したが,約 1 カ月経過しても治癒しないため受診した。
現症:左上背部に,径約 5 cm の漿液性丘疹と鱗屑を付した浮腫性紅斑の環状配列を認める(図 1 a,b)。
検査:ズームブルー®(久光製薬,鳥栖市)を用いた KOH 鏡検で菌糸性菌要素陽性(図 2 )。
診断:体部白癬
治療および経過:ルリコナゾール外用にて,1 週間後には色素沈着を残すのみとなった。