西日本皮膚科
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綜説
全身性強皮症における B 細胞の役割
松下 貴史
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2021 年 83 巻 5 号 p. 397-401

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抄録

全身性強皮症(強皮症)は,自己抗体産生に代表される自己免疫現象を背景に,皮膚および内臓諸臓器の線維化,血管病変によって特徴づけられる膠原病である。この強皮症の病態形成には自己抗体産生などにより B 細胞が強く関与している。近年,B 細胞のサイトカイン産生能の重要性が明らかとなってきている。強皮症では,Regulatory B 細胞が IL-10 産生を介して病態を抑制し,Effector B 細胞が IL-6 産生を介して促進する。この Regulatory ・Effector B 細胞バランスの異常が強皮症の発症機序に関与している。

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© 2021 日本皮膚科学会西部支部
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