西日本皮膚科
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症例
HPV31 型を検出した足底 Bowen 病の 1 例
竹井 樹村田 真帆橋本 弘規一木 稔生田中 由香大野 文嵩伊東 孝通中原 剛士
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2023 年 85 巻 2 号 p. 124-127

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抄録

61 歳,女性。明らかな外傷歴はなかったが,初診の約 4 年前に右足底に褐色斑が出現した。褐色斑は徐々に増大したため,前医を受診し,生検で Bowen 病と診断された。切除を勧められたが放置していた。当院を紹介され受診した時,右足底の土踏まず部に 7×6 mm の褐色結節を認めた。前医での生検標本では,表皮全層に異型ケラチノサイトが増殖しており,個細胞角化や clumping cell を認めた。3 mm マージンで全切除し,全層植皮術を行った。パラフィン包埋切片より DNA を抽出し,ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)の検索を行ったところ,粘膜 / 粘膜・皮膚型,ハイリスク型である HPV31 型の DNA が検出された。足底発症の Bowen 病は極めて稀であるが,しばしば粘膜 / 粘膜・皮膚型の HPV が検出された症例が報告されている。しかし,HPV31 型が検出された足底 Bowen 病は,調べ得た限り国内外での報告はこれまでになく,自験例が第 1 例目となる。足底の黒褐色病変を認めたときは,Bowen 病も鑑別の一つとして考慮し対応すべきであり,外陰部・手指だけでなく,足底の Bowen 病も HPV が発症に関与している可能性の高い病変であると考えられる。

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© 2023 日本皮膚科学会西部支部
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