西日本皮膚科
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症例
両側腋窩化膿性汗腺炎に対して,右は広背筋弁と分層植皮,左は分割広背筋皮弁を行った 1 例
平野 早希子前山 徹吉村 希大山 拓人髙木 誠司中原 剛士
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2025 年 87 巻 2 号 p. 137-140

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抄録

43 歳,女性。25 年前から両側腋窩に排膿を繰り返していた。前医の皮膚科で化膿性汗腺炎を疑われ,外科的加療が必要との判断で当科を紹介され受診した。当科を初診時,両側腋窩が瘢痕化し肩関節の外転障害をきたしていた。右腋窩の病変に対して広背筋弁と分層植皮による再建を行い経過は良好であった。左腋窩の病変にも同様の再建方法を提案したが,患者の希望に沿って分割広背筋皮弁による再建を行った。化膿性汗腺炎にはさまざまな治療法があるが,瘢痕に伴う拘縮がある場合や根治を目指す場合には外科的切除が必要となる。自験例では,患者の希望に沿って再建方法を検討し直し患者の満足度は良好であった。患者に合わせた治療方法の検討が重要である。

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