整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
Ponseti法による内反足治療の経験
吉野 伸司肥後 勝中村 雅洋
著者情報
キーワード: 先天性内反足, Ponseti法
ジャーナル フリー

2006 年 55 巻 3 号 p. 348-350

詳細
抄録

先天性内反足に対してPonseti法により初期治療を行い6ヶ月以上経過した症例の治療効果について検討した.症例は9例14足で平均6回のギプス矯正後,アキレス腱を皮下切腱した.変形をレ線学的に評価し,正面像での距骨第1中足骨角(T-1stMTA)と距踵角(TCA),側面最大背屈位でのTCAと脛踵角(Ti-CA)を調査した.6ヶ月時T-1stMTA平均-10°,正面TCA34°,側面33°,Ti-CA 67°と良好な矯正が得られており,その殆どの例で1歳まで矯正位は保持されていた.3足(21%)は変形が残存し,2足に後方解離術,1足に後内側解離術が必要であった.Ponseti法により前足部の内転変形は早期に矯正され,同時に後足部,踵骨の内反も自然矯正される.本法は広範な初期軟部組織解離手術を必要とする症例を減らすことができる有用な方法と考えられた.

著者関連情報
© 2006 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top