整形外科と災害外科
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大腿骨転子部骨折に対するCHS術後不良例11症例の検討
竹内 直英志田原 哲仙波 英之北村 貴弘林 哲生久賀 宣幸
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2006 年 55 巻 4 号 p. 425-431

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抄録

AS hip screwを用いて骨接合術を行った139例の大腿骨転子部骨折患者のうち,転位もしくはcut outした11例の転位の原因と術後1週目のtelescoping量を調査した.7例で過度のtelescopingを認め,免荷期間を延長した.4例(2.9%)でcut outをきたし,2例で人工骨頭置換術を,2例でCondylar plateによる再手術を行った.経過不良の原因は整復不良1例,ラグスクリュー刺入部骨折5例,不明5例だった.術後1週目の平均telescoping量は不良群14.7mm,良好群3.2mmと有意差を認め(p<0.0001),10mm以上telescopingしたものは78%の高率で転位した.適切に整復・刺入しても予想外に転位することがあり,原因として骨の脆弱性が考えられた.術後1週目に10mm以上のtelescopingしたものは成績不良となる確率が高い.

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© 2006 西日本整形・災害外科学会
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