整形外科と災害外科
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虚血性壊死に対する下肢切断の治療成績の検討
金澤 和貴吉村 一朗竹山 昭徳内藤 正俊井上 敏生
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2006 年 55 巻 4 号 p. 444-447

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抄録

〈目的〉下肢切断術を施行した症例を調査し,生命予後に関する因子を検討すること.〈対象および方法〉1996年12月から2004年4月に当院にて下肢切断術を施行した19例20肢(男性12例,女性7例)を対象とした.手術時年齢は48~82歳.術前合併症,切断部位,機能的予後,生命予後等について検討した.〈結果〉主な術前合併症としては高血圧11肢,糖尿病10肢,慢性腎不全9肢,脳血管障害5肢,心疾患5肢であった.最終切断部位は大腿7肢,下腿7肢,足部5肢,趾1肢であった.最終調査時歩行可能例は趾切断群は100%,足部切断群は80%,下腿切断群は33%,大腿切断群は0%であった.最終調査時趾切断群には死亡例なく,足部切断群は20%,下腿・大腿切断群には各々58%に死亡例を認めた.〈考察〉虚血性壊死に対し下肢切断を行う場合,ほとんどが高齢者で重篤な合併症をもっていることが多く周術期に注意を要す.

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© 2006 西日本整形・災害外科学会
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