2007 年 56 巻 1 号 p. 65-68
第7頚椎椎弓根に発生した類骨骨腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は14歳,男性.約1年前より特に誘因無く頚部痛出現し,夜間と寒冷時期に頚部痛増強するため当センター来院.初診時に頚部は軽度右側屈・左回旋位を取っており,運動時痛を認めた.神経学的異常は認めなかった.頚椎単純 X 線写真では第7頚椎の椎体右側~椎弓根部に骨硬化像を認め,MRI では第6頚椎椎体に強い信号変化を認めた.CT では第7頚椎の右椎弓根部から椎体の中心部に石灰化を伴う直径1.5cm の骨透亮像を認めた.NSAID 投与を行うも疼痛の改善が得られなかったので腫瘍摘出・Rogers' wiring による第6/7頚椎後方固定術を施行.術後は頚部痛消失した.10~20歳代の男性の頚部の疼痛,夜間痛と可動域制限を呈する症例に対しては本症も念頭に置く必要があると思われた.