整形外科と災害外科
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急速破壊型股関節症の検討;第7報
―病期分類と関節滑膜内破骨細胞数の関係について―
藤林 功小河 賢司北島 将重松 正森小峯 光徳馬渡 正明佛淵 孝夫
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2007 年 56 巻 2 号 p. 267-269

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抄録

急速破壊型股関節症(以下RDC)の病因・病態は未だ明らかでなく,我々はこれまでRDCの画像及び摘出骨頭所見にて病型・病期分類や,関節滑膜内破骨細胞の存在について報告してきた.そこで,今回は骨頭圧潰型に分類したRDCの病期とその関節滑膜内破骨細胞数との関係について検討した.対象は骨頭圧潰型RDC 13例14股及び,経過の長い変形性股関節症33例33股とした.StageI・IVでは,滑膜そのものの採取が困難であり,stageII・IIIで滑膜内破骨細胞を多数認めた.RDCの原因として,構築・力学的要因と免疫・生化学的要因の関与が示唆されているが,病期による変化をみた報告は数少ない.今回の検討にて,RDCの進行には破骨細胞の活動性が関与している事が示唆された.その病因・病態を検討する際には病型ばかりでなく,病期も考慮する必要性があると思われた.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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