2007 年 56 巻 3 号 p. 466-469
大腿骨転子部骨折の偽関節例に対して骨接合術を行ったので報告した.症例は4例である.初回の治療は髄内釘式hip screw 3例,保存的治療1例であった.髄内釘式hip screwの1例はMRSA感染例,1例はnailの折損を伴っている症例であった.保存的治療例はCHSを用いて,感染例は創外固定を用いて手術を行い,髄内釘式hip screw後の2例はDCSを用いてMIPO法を併用して手術を行った.全例,骨癒合を得られた,もしくは得られつつある.大腿骨転子部骨折後の偽関節に対する治療としては,人工骨頭置換術が一般的であるが年齢的な問題,感染の問題等が存在する場合は再度,骨接合術を選択せざるを得ない.再骨接合術を行った結果,新鮮骨折と比較すると術後療法を大幅に遅らさざるを得なかったが,術後経過は良好であった.