整形外科と災害外科
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脊椎圧迫骨折と大腿骨近位部骨折発症の背景因子の比較検討
中村 達彦奥野 誠山本 吉藏
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2007 年 56 巻 3 号 p. 482-485

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抄録

脊椎圧迫骨折と大腿骨近位部骨折発症の背景因子の差違を明らかにすることを目的とした.脊椎圧迫骨折女性患者(以下圧迫骨折群)51名および大腿骨頚部骨折女性患者(以下頚部骨折群)51名,大腿骨転子部骨折女性患者(以下転子部骨折群)74名を対象とした.平均年齢は圧迫骨折群が78.8歳,頚部骨折群が82.6歳,転子部骨折群が83.8歳で圧迫骨折群と転子部骨折群の間には有意な差違を認めたため,年齢補正を行った.体重,Body mass index(BMI),WBC,CRP,RBC,Hb,総コレステロール,総タンパク,アルブミン,Ca,ALP,骨型アルカリフォスファターゼ(BAP),大腿骨近位部骨密度(Neck領域)に有意差を認めた.体型,栄養状態,骨形成能などが骨密度に影響し,骨折発症の差違が生じたと考えられた.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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