整形外科と災害外科
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後天性血友病による膝関節血症の1例
浜崎 将弘古川 雄樹宮里 朝史馬渡 玲子辻 王成吉野 興一郎重盛 廉田中 宏一
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2008 年 57 巻 1 号 p. 57-60

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抄録

73歳女性,階段で膝くずれした後から左膝関節が腫脹し,翌日当院受診.関節穿刺にて血性関節液を認め入院となった.入院時血液検査でAPTTの軽度延長を認めた.入院後も腫脹が持続,関節穿刺を計3回行った.入院9日目誘因なく鼻出血が出現,入院11日目左膝の穿刺部からの持続的な出血を認めた.Hb 6.8g/dlに低下,APTT 101.8秒と著明に延長していた.第VIII因子活性1%未満,第VIII因子インヒビター12.2BU/mlより後天性血友病と診断,活性型プロトロンビン複合体製剤およびステロイド剤の投与おこない止血できた.後天性血友病は稀な疾患であり,関節血症を呈することは少ない.

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© 2008 西日本整形・災害外科学会
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