整形外科と災害外科
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大腿骨転子部骨折に対するAO proximal femoral nail-antirotation(PFNA)の使用経験
堀川 朝広山下 武士瀬形 建喜米村 憲輔
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2008 年 57 巻 2 号 p. 272-275

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抄録

大腿骨転子部骨折に対してSynthes社製proximal femoral nail anti-rotation(PFNA)を使用した48例中,術後4週以上追跡調査を行えた19例(男性3例,女性16例)を検討した.平均年齢は87.1歳,平均経過観察期間は97日であった.骨折型はAO分類31 A1:10例,A2:9例であった.手術時間は平均29.5分,術中出血量は全例少量であり,術後輸血を要した症例は12例(63%)であった.TADは平均21.9mm,ブレードのtelescoping量は平均4.16mm,骨折型別の平均はA1が4.88mm,A2が3.37mmであった.術中合併症として1例でブレード挿入部の骨折が生じたが,骨頭の内反変形やカットアウト等の術後合併症はなかった.PFNAによる初期固定性は良好で早期から歩行訓練が可能であり,大腿骨転子部骨折に対する優れた固定材料の1つであることが示唆された.

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© 2008 西日本整形・災害外科学会
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