整形外科と災害外科
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大腿骨頚部骨折に対する骨接合術後成績不良例の検討
富永 康弘安部 幸雄藤井 謙三坪根 徹津江 和成
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2008 年 57 巻 2 号 p. 279-282

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抄録

【目的】大腿骨頚部内側骨折に対する骨接合術後成績不良例について検討を行った.【対象】2004年1月~2007年5月の間,当院にて骨接合術を行った24例のうち,成績不良例は3例であった.症例1,89歳女性,Garden II型.受傷5日でハンソンピンにて骨接合術施行したが,術後2カ月で骨頭扁平化が出現し6カ月で完全に骨頭が圧潰した.症例2,58歳男性,透析患者.6カ月前から誘引なく右股関節痛が出現.Garden III型でありハンソンピンによる骨接合術を施行.偽関節となり術後7カ月で人工骨頭挿入術を施行した.症例3,76歳女性,Garden III型の内側骨折に外側骨折を合併.CHSにて骨接合術施行したが,術後3カ月半でラグスクリューが脱転し,抜釘・人工骨頭挿入術を施行した.【結語】今後,大腿骨頭壊死の予測,透析患者や外側骨折を合併した症例に対する術式選択が課題である.

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© 2008 西日本整形・災害外科学会
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