2008 年 57 巻 3 号 p. 415-418
アテトーゼ型脳性麻痺では比較的若年で頚髄症が発生するとされているが,多くは40歳代であり20歳代発症例は稀である.今回20歳代発症の3例についてその病態・画像所見・手術成績を検討した.3例中2例は急性発症であり,単純X線上の変性変化はほとんど認められなかった.また脊髄の圧迫もなし~軽度が3例中2例であった.全例でC3/4での脊髄障害であった.またいずれの症例も頚椎後方再建術にて良好な臨床成績であった.若年者ゆえに不随意運動の速度・加速度,laxity,可動域がより大きい場合は不安定性がさらに高度となり,変性が軽度であってもその高度な動的要素で急激な脊髄障害が引き起こされると考えられた.