整形外科と災害外科
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腰椎黄色靭帯内血腫の1例
小島 岳史黒木 浩史濱中 秀昭久保 紳一郎花堂 祥治猪俣 尚規桐谷 力福島 克彦小牧 亘帖佐 悦男
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キーワード: 血腫, 黄色靱帯, 脊柱管狭窄
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2008 年 57 巻 4 号 p. 567-571

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抄録

今回われわれは,腰椎黄色靱帯内血腫により間欠跛行,両下肢痛をきたした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は69歳男性で,平成16年6月,腰痛,両下肢の痺れ,間欠跛行が出現し近医にて腰部脊柱管狭窄症の診断で保存的治療を受けていた.平成17年1月特に誘引なく腰痛,両下肢痛,間欠跛行の悪化を認め手術目的に入院となった.入院時,間欠跛行100m,神経学的には右L4レベルの神経根障害と馬尾症状の混合型脊柱管狭窄症状を認めた.腰椎MRIでは,L4椎体レベルの脊柱管右側にT1強調画像でlow~iso,T2強調画像でhigh intensityの黄色靱帯と連続した腫瘤性病変を認め,硬膜管を強く圧迫していた.手術は,開窓術を行い黄色靱帯に連続した褐色の腫瘤を摘出した.病理所見では黄色靱帯内に器質化した血腫を認め,黄色靱帯内血腫と診断された.脊柱管内腫瘤性病変の鑑別疾患の一つとして黄色靱帯内血腫も考慮すべきである.

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© 2008 西日本整形・災害外科学会
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