整形外科と災害外科
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大腿骨小転子部に発生した類骨骨腫の2症例
田畑 知法生田 拓也矢渡 健一
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2009 年 58 巻 1 号 p. 130-134

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抄録

【はじめに】類骨骨腫は夜間痛が特徴的で,関節近傍に発生した場合は関節炎様の症状を示すとされる.今回我々は,大腿骨小転子部に発生し股関節炎様症状を示した2症例を経験したので報告する.【症例1】21歳男性.3ヶ月前から左股関節の運動時痛,夜間痛を自覚.近医受診するも異常指摘されず,経過観察とされた.症状続くため当院受診.単純X線,MRIにて類骨骨腫と診断.腫瘍摘出術を行った.術後夜間痛軽快し,経過良好である.【症例2】18歳男性.3ヶ月前より左股関節の運動時痛,夜間痛あり当院初診.単純X線,MRI,CTにて大腿骨小転子部の類骨骨腫と診断.腫瘍摘出術を施行.術後夜間痛軽快し,経過良好である.【考察】大腿骨小転子部に発生した類骨骨腫の2症例を経験した.腫瘍摘出により症状軽快し,経過良好である.夜間痛を伴う股関節炎が存在する症例では類骨骨腫も考慮すべきである.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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