整形外科と災害外科
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大腿骨外反変形に対し矯正骨切り術を行った多発性内軟骨腫の1例
富田 雅人熊谷 謙治中村 隆幸志田 崇之楊井 知紀進藤 裕幸
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2009 年 58 巻 1 号 p. 135-140

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抄録

多発性内軟骨腫は,比較的稀な疾患である.大腿骨顆上部に発生した内軟骨腫のために外反膝変形及び脚長差を生じ矯正骨切り術を行った症例を経験した.症例は6歳7ヵ月の女児である.母親が左膝の変形に気付き受診した.初診時左膝の外反変形及び約4 cmの脚長差があり,X線では左大腿骨近位及び顆上部外側に骨透亮像を認めた.その後外反変形が進行し,切開生検にて診断を確定し,8歳で手術を行った.術後9ヵ月の現在,骨癒合良好で姿勢・歩容ともに改善している.考察 本症例は,同側大腿骨の近位部と遠位部に内軟骨腫が発生した.近位部はX線上腫瘍の増大・変形の進行はなかったが,遠位部では著明な成長障害・変形を生じた.現在,経過は比較的良好であるが,成長障害による脚長差の増大や,変形の再発などの問題があり,今後の長期間の経過観察が必要である.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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