整形外科と災害外科
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超高齢大腿骨近位部骨折非手術患者の受傷後生命予後
本木下 亮松永 俊二古賀 公明廣田 仁志永田 政仁今給黎 尚典石堂 康弘小宮 節郎
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2009 年 58 巻 1 号 p. 55-57

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抄録

超高齢者の大腿骨近位部骨折の治療方針決定に役立てる為に,非手術例の生命予後を調査した.2000年~2007年に当院に入院した85歳以上の大腿骨近位部骨折患者350人名中,手術に伴う危険が高い為に手術を断念した患者30名(A群)と患者の手術拒否の為に手術を施行しなかった患者20名(B群)の計50名を対象とした.受傷後の生命予後と死因について調査した.受傷後1ヶ月以内の死亡は5名あった.内3名はB群の患者であり死因は全例肺炎であった.A群の2名は肺炎と腎不全で死亡した.累積生存率は発症2ヶ月で82%,12ヶ月で63%,24ヶ月で53%でありA群とB群とでは累積死亡率に有意差はなかった.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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