整形外科と災害外科
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手指・手関節に発生した石灰沈着症の3例
入江 弘基加藤 悌二水田 博志
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2009 年 58 巻 2 号 p. 210-213

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抄録

【はじめに】肩関節や膝関節に石灰沈着はしばしば見られるが,手指に発生する石灰沈着症は比較的まれである.今回,手指および手関節に発生した石灰沈着症の3例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.【症例1】43歳,男性.誘因なく右母指に急激な腫脹・疼痛出現し受診した.母指MP関節橈側に発赤,腫脹,熱感を認め,X線写真上で母指MP関節橈側に石灰化陰影を認める.【症例2】42歳,女性.1週間前より手関節痛出現し,症状改善せず受診した.X線写真上で,尺骨遠位端に石灰沈着を楕円状の石灰化陰影を認める.【症例3】73歳,女性.誘因なく右母指痛出現し,腫脹・疼痛強く受診した.右母指IP関節尺側に発赤,腫脹,熱感を認め,X線写真上で母指IP関節尺側に,石灰化陰影を認める.いずれも急性石灰沈着性関節周囲炎と診断し,ステロイド注射を行い,疼痛改善および石灰化の消失を認めた.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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