整形外科と災害外科
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Brown-Sequard症候群にて発症した頚椎黄色靭帯石灰化症の一例
光武 慎一朗井上 崇文半仁田 勉藤井 正道宮井 保尚
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2009 年 58 巻 2 号 p. 241-244

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抄録

黄色靭帯石灰化症(CYL)は変性した黄色靭帯の弾性繊維内に様々なリン酸カルシウム結晶が沈着し神経症状を引き起こす疾患である.今回我々は頚椎に発症しBrown-Sequard症候群を呈した一例を経験した.症例は66歳男性.脳梗塞の既往あり.左上下肢のしびれを主訴に来院.身体所見でC8以下の左温痛覚低下および右深部覚低下,右上下肢運動麻痺(上肢は2レベル,下肢は4レベル),痙性歩行を認めた.MRI,CTミエログラフィーではC4からC5高位に後縦靭帯骨化症,C5/6高位にCYLによる脊髄の圧迫を認めたため椎弓形成術を行い,CYLを切除した.術後知覚障害に変化はみられなかったが歩行は軽度の改善がみられた.CYLによりBrown-Sequard症候群を呈することは比較的稀とされ,若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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