整形外科と災害外科
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観血的整復を要した示指ロッキングの1例
比嘉 勝一郎岳原 吾一普天間 朝上金谷 文則金城 聡
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2009 年 58 巻 2 号 p. 261-265

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抄録

指ロッキングはMP関節が突然屈曲位に固定され伸展不能になる比較的まれな疾患である.今回われわれは観血的整復を要した左示指ロッキングの1例を経験したので報告する.症例は31歳女性,職業は雑貨店店員.仕事中テーブルクロスを両手で筒状に丸める作業中,突然左示指MP関節が伸展不能となり,同日当科を受診した.左示指MP関節の伸展は-40°で自動・他動ともに制限されていたが,屈曲制限は認めなかった.X線像にて,左第2中手骨骨頭橈掌側に骨隆起を認めた.示指ロッキングの診断で徒手整復を試みたが,整復不能であり,手術を施行した.術中所見では,第2中手骨骨頭橈掌側に骨隆起を認め,fan-like portionが骨隆起に乗り上げて固定されていた.fan-like portionと骨隆起の一部を切除し,ロッキングは解除された.術後4カ月でロッキングの再発や可動域制限を認めない.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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