2009 年 58 巻 2 号 p. 266-270
反復性及び習慣性膝蓋骨脱臼に対して内側膝蓋大腿靭帯再建術を行い,短期経過を調査できた13症例13膝に対しその成績を検討した.手術時平均年齢は24.1歳,術後調査期間は平均18.5ケ月(2~51ケ月)であったが,その間再脱臼例はなく,1例を除き関節可動域制限も認めなかった.術後成績の評価では,Kujula scoreが術前平均60±20.2点が最終調査時91±15点に改善し,Crosby and Insall法ではExcellent 6例,Good 6例,Fair to poor 1例であった.X線学的検討では,Congruence angleは術前31.3±21.4°が最終調査時-3.65±20.72°,tilting angleは術前32.1±7.9°が最終調査時21.9±8.39°,Lataral shiftは術前41.6±9.7% が最終調査時24.5±9.9%と全て正常範囲内に改善していた.今回の結果は本術式の良好な短期成績を示すものと考える.